自立していて、人とうまくやっている人がかならず言うこの一言

    秋の入り口。
    季節の変わり目に、「風邪はひかないぞ!」と気合いを入れていたのですが、どうやら「風邪の入り口」に立ってしまったようです。2日ほどダウンしながら、「『風邪の入り口』って、もう風邪をひいてるってことなのか…?」なんて、どうでもいい会話で気を紛らわせていました(笑)

    そんな身体が少し弱ったタイミングに、ふと気づいたことがありました。

    それは、わたしの周りで「自立していて、かつ、人と上手に関係性を築いているなぁ」と感じる人には、共通して口にする一言がある、ということです。

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    100%パワーワード:「ありがとう」

    もったいぶるほどのものでもないのですぐに結論を言いますが、その言葉は、


    「ありがとう」


    です。

    あまりに基本的でシンプルなので拍子抜けするかもしれませんが、この一言をどれだけ自然に、そしてどれだけ頻繁に言えるかで、人間関係の質が変わると感じています。

    「ありがとう」が上手な人には、明確な共通点があります。

    • 感謝を伝える頻度が圧倒的に多い
    • 「え、こんなことにも?」という場面でも言う
    • 内容や行動よりも先に「気持ち」にたいして感謝する



    などです。



    たとえば、仕事でのLINEやチャット。

    こちらが質問を送ると、返答の前にまず「ありがとうございます」と一言添える人がいます。別のある人は、「訊いてくれてありがとうございます」と言います。

    そんな人たちに出会って、わたし自身はと振り返ると、自分は「質問を受けるとすぐにその内容に答えてしまいがちだなぁ」と気づかされました。

    もちろん「ありがとう」を言わなくたって、仕事も関係性も成立しますが、まず「ありがとう」がはじめにあるだけで、やり取りのなかに少し「間」が置かれた印象を受けて、うしろにどのような内容が来るとしても、「あ、尋ねてよかったな」という気持ちになります。




    また、ちょっとした共有をしたりしたときも、その人たちは「了解!」で終わらせずに、「(共有してくれて)ありがとう」をかならず添えます。

    こちらとしては、「そんなのわざわざ言わなくても信頼関係はできてるよ」と思ってしまうのですが、それでも彼らはあえて言葉にするのです。

    たぶん、その人たちには、「ありがとうを言わなくても関係性はできている」ではなく、「いまある信頼関係を大切にし、先々も関係性を続けていくことを(その時点では少なくとも)前提に考えている」という考えが意識的/無意識的に土台にあるんじゃないか、と考えています。

    「ありがとう」を言う人たちは、感謝を伝えることが習慣になっています。

    それはマナーではなく、おだてたり利用したりするのでもなく、相手の存在をきちんと見て、「相手がいる、そして、自分がいる」という関係性をベースに世界を見ていることの表れなんだろう思います。

    気持ちへの「ありがとう」と、感謝の順番

    さらに印象的なのは、「行為そのもの」ではなく「気持ち」に感謝をする、ということです。

    たとえば、相手がなにかしてくれたとき、それが自分の意図と違っていたとしても、彼らはまず、

    「ありがとう。〜してくれたんですね。」

    と受け取ります。

    わたしはつい、「あぁ、それはちょっと違って…」と内容本体に目が向いて、その訂正から入ってしまうことが本当によくあります。でも彼らは、まず「やってくれた」こと、そして「そこにある気持ち」を受け取る。それに感謝の気持ちを伝えて、そのあとに必要があれば補足をする。

    この「順番」が大事なんです。

    その人たちは、この「順番」を守ることができるんです。

    相手の「行動」の内容がどうか、というのは、自分の意図や期待との照らし合わせをすること。それよりも先に、相手の「思い」をまず先に受け取ることというのは、相手を尊重しないとできないこと。

    ここでもやはり、相手と自分がいて「関係している」ということに自然に目が向いている、と感じます。

    感謝できる人は、自立している



    「ありがとう」を自然に言っている人たちは、「相手がいる、そして、自分がいる」という関係性をベースに世界を見ている。そのうえで、相手を尊重することができる。

    そして、感謝とは、相手にすがることではなく、「自分がしてもらったこと」を正しく認識し、受け取る行為。

    それは、「自立している」からこそできることです。


    自立している人は、自分の力だけで立つのではなく、依存的になるのでもなく、「自立した自分」と「自立した他者」として「ともに生きている」ということをしっかりと土台に置き、自分と他者の関係性を丁寧に扱える人です。そして「ありがとう」を通じて、自分の世界も他人の世界も尊重しています。


    だから、「ありがとう」を言える人は、人とうまくやっている。




    本当に、めちゃくちゃシンプルなことだと思うのですが、このたった一言で、相手の行為を認め、自分の立場も整え、両者の関係をあたためるということができる、というのは、本当にすごいことだと思います。




    「ありがとう」をナチュラルに言う人たちに出会って、「わたし、『ありがとう』をすっ飛ばしがちだ!」ことに気づきを得て、「自分もナチュラルに感謝が伝えられる人間になりたい」と思いました。

    わたしのなかでは、それは「自立した人間になりたい」と思うことと重なる、と捉えています。

    だから、少しずつ意識して、自分も人になにかを訊かれたらまずは「ありがとう」を言う、内容に入る前に相手の「気持ち」に感謝する、ということに、絶賛いま取り組んでいるところです。

    もし、人間関係につまづきやすれ違いを感じているようであれば、ぜひ一緒に、まずは「ありがとう」からはじめてみませんか?

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